掲載記事 【遷延性意識障害:「つくし」のように 九州に交流組織】
- kyusyutsukushi
- 2015年4月7日
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福岡市中央区の貞刈暢代(のぶよ)さん(55)の夫で放送局の記者をしていた昭仁(しょうじ)さん(58)は5年前、単身赴任先の東京で突然、大動脈解離を発症した。手術したが合併症による脳障害で寝たきりとなった。意思表示は困難で、暢代さんが入院先の病院に通って支えている。
医師でもある暢代さんは、一般の人よりも症状への知識がある。それでも、妻として夫に降りかかった現実を受け入れられない思いもあり、不安の中でインターネット上にある当事者家族のブログを読み、手がかりや情報を求めた。
そうした中で「全国遷延性意識障害者・家族の会」の存在を知り、入会。昨年東京であった懇親会に参加し、くも膜下出血で倒れた妻を在宅で24時間介護している宮崎県在住の谷口正春さん(65)と知り合った。
2人は昨秋、全国の会員のうち九州10+件在住の10以上の家族に呼びかけて、福岡で顔合わせ会を開いた。急変した日常生活に戸惑い、悩んだ日々や在宅介護の苦労を語り合う一方で、実践している介助のアイデアなどの情報を交換。「話すことで胸のつかえが取れた」という声が聞かれた。そこで「気軽に参加できないと交流に来たくても来られない人がいるはず」(谷口さん)と九州10+件に支部を設立することが決まった。
毎日新聞 2015年(平成27年) 4月6日 掲載記事
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